Japan Arts
10/24/16 (Mon)
Open Time 18:15 / Play Start 19:00
Tokyo Opera City Concert Hall
(Tokyo)
Les Vents Français
Les Vents Français
Emmanuel Pahud, Flute
François Leleux, Oboe
Paul Meyer, Clarinet
Radovan Vlatkovic, Horn
Gilbert Audin, Basson
Eric Le Sage, Piano
Hersant
Sextet
Beethoven
Quintet in E-flat Major, Op.16
Magnard
Quintet Op.8
Poulenc
Sextet
レ・ヴァン・フランセ2016年の来日公演に寄せて
1998年に収録され、翌年生誕100年を記念してRCAからリリースされた「プーランク:室内楽曲全集」には、すでにピアノのル・サージュ、フルートのパユ、オーボエのルルー、クラリネットのメイエ、バソンのオダンの名も見られるが、メイエを中心とするアンサンブル「レ・ヴァン・フランセ」(フランスの風)の結成もその頃から想定されていたように思われる。CDの登場や2002年の初来日以降の日本公演は、重ねられるごとに評価や認識を新たにし、ファンの数を増しているにちがいない。“レ・ヴァン・フランセ”は、日本のクラシック音楽界に新たな“風”をもたらしたのは事実だ。しかもメンバーにピアノのエリック・ル・サージュを擁して重要な役割を託してはいるが、フランス語で管(吹奏)楽器というのに“ア・ヴァン”という言葉を使うニュアンスを思わせるように、管楽器の奏者たちの存在や妙技が、音色やバランスなどを通じて眼を開かせていることもまちがいない。
今回のレ・ヴァン・フランセは、一昨年の来日の際の顔ぶれと同じで、最初にあげた5人の演奏家にホルンのヴラトコヴィチを加えた6名である。プログラムは前半の終わりの「ベートーヴェン:ピアノと管楽のための五重奏曲」変ホ長調作品16と後半の終りのプーランクの「六重奏曲」は一昨年と変わらないが、双方の始めには時代はちがうがいずれもフランスの作曲家の作品がおかれている。
エルサンの「六重奏曲」とマニャールの「五重奏曲」作品8である。
フィリップ・エルサンは1948年イタリアのローマに生まれているが、パリ国立音楽院でアンドレ・ジョリヴェに学んだフランス現代の代表的作曲家の一人であり、豊かな作曲歴は劇場作品や映画にまで及び、委嘱や受賞も数多い。今回の「六重奏曲」は、パユ、メイエ、ル・サージュらが主宰する“サロン・ド・プロヴァンス”音楽祭の委嘱により作曲中のもので、8月4日の世界初演が予定されている。10月には当然日本初演となる。またアルベリック・マニャール(1865~1914)はパリ生まれで、ヴァンサン・ダンディ門下として活動していたが、北フランスの小村でドイツ兵に襲撃され、射殺された。今回の「五重奏曲」は1904年に書かれたものである。
いずれにしても、今回もまた意欲に満ちたプログラムで、大いに期待できそうだ。
藤田由之
S席:7,600円(6,900円)/A席:6,600円(6,000円)/B席:5,600円(5,000円)/C席:4,500円(4,000円)
主催者HP https://www.japanarts.co.jp/concert/concert_detail.php?id=450