Japan Arts

10/25/16 (Tue)  Open Time 18:15 / Play Start 19:00
Sumida Triphony Hall (Tokyo) map

Hungarian National Philharmonic Orchestra

Tomoharu Ushida, Piano
Hungarian National Philharmonic Orchestra
Zoltán Kocsis (Music Director, Conductor)


Liszt
Les Préludes
Totentanz (Tomoharu Ushida, Piano)

Dvořák
Symphony No.9 in E minor, Op.95 “From the New World”


ハンガリー国立フィルハーモニー管弦楽団来日公演への期待

ドナウ川西岸のブダと東岸のペストからなるブダペストは「ドナウの真珠」と呼ばれるほど美しい景観で知られ、街並みの一部は世界文化遺産にも指定されている。一方、リスト、バルトーク、コダーイらゆかりの音楽都市でもあって、現在でも毎晩のように多種多様なコンサートやオペラが上演されている。1923年、この音楽の都に創設されたハンガリー国立フィルハーモニー管弦楽団は、以後こんにちまで1世紀近くにわたりブダペスト音楽界の中心的役割を担ってきた。近年では1987年から10年間、現桂冠指揮者の小林研一郎が首席指揮者、音楽総監督として同フィルを世界の一流レベルに押し上げたことと、97年秋に小林から音楽総監督を引き継いだゾルタン・コチシュが、さらなるレベル・アップを成功させたことが特筆されよう。
2014年以来2年ぶりとなる今回の日本ツアーでは、前回と同様、コチシュと小林が指揮台を分け合う。いずれの公演でもマジャール民族の香り漂う純朴で力強い表現力と、彼ら独特の温かみのある音色を堪能できるはずだが、協奏曲ファンにはソリストが気になるところだろう。
コチシュが指揮棒をとる公演では、幕開けにリストの交響詩『レ・プレリュード』が演奏されたあと、1999年生まれの若く清新なピアニスト、牛田智大が同じくリストの『死の舞踏』を彼らと共演する。単一楽章構成のこの作品はピアノ協奏曲とは冠されていないが、事実上のピアノ協奏曲だ。後半はドヴォルザークの『新世界』交響曲。
そして、小林研一郎が振る公演には実力派ヴァイオリニストの松田理奈が招かれていて、ロマン派ヴァイオリン協奏曲の最高峰、メンデルスゾーンのホ短調協奏曲のソリストを務める。前プロとしてブラームスのハンガリー舞曲の抜粋、後半には小林の十八番中の十八番、ベルリオーズの『幻想交響曲』が用意されている。どちらの公演も、彼らの本拠地ブダペストへのタイム・トラベルを体験させてくれるに違いない。

萩谷 由喜子(音楽評論家)


S席:14,000円(12,600円)/A席:11,800円(10,800円)/B席:9,700円(8,700円)/C席:7,500円(6,800円)/D席:5,400円(4,800円)

主催者HP https://www.japanarts.co.jp/concert/concert_detail.php?id=448